重さ・約58.5㌘ 全長・約74.1㌢ バランス点・フェルールから約19㌢強 経ている年数を考慮し状態として上のようにしていますが、保存状態も良いものと感じます。 勘のいい方ですとヘッドの形状や材料の雰囲気、全体の佇まい（画像でどれだけお伝えできているのか…??というところですが）から弾き心地や性能について推し量っていただける、ピンとくるものがおありになっていただけるかも知れません。 バランス良し、反応良し、つよさとしなやかさのバランス良し。 とにかく弾きやすい。 理想の弾き心地で、弓に求めるポテンシャルをばっちり兼ね備えており、癖がない。 オールドボウならではのもっちりとした弾力のあるスティックで、芯のある丸い音、濃密かつパリッとした音・響きを引き出します。 ‥…と、まあ、手前味噌よろしく自身の所感を書き連ねておりますが、やはり自身が惚れ込んでいるゆえいくらかバイアスが入り込んでしまう余地は否めませんので、その点引き算をしていただければ幸いです。 それでもやはり、最大限客観視できるよう努めながらとても良い弓だな‥とつくづく思います。 仮に弾き心地や性能といったところを置いておくとして、ときを経た年代物がもたらすプラシーボは過小評価してはならないでしょう。 シンプルに「オールドボウ」として入手していますが、ディティールおよび全体像から100年以上前のフレンチ作品と考えています。 弦への心地よいコンタクトと跳ね返りをもたらす美しい反り、密度の高い材料がもたらす絶妙な重量感に呼応する手元の重りがあたかも弓に生命を吹き込むかのよう。 年季を感じさせるこまかな傷、フロッグには小さな欠けを埋めたリペア（見事に修復されており、一見気づかないかもしれないほど。素晴らしい技術をもって向きあってきたことが相応しい価値ある工芸品と捉える）、ボタンの貝は溶けてなくなっている（未対応）… 個人的にはアンティーク大好きですので何ら問題は感ぜず、好意的に見ていますが当然個人差はあると思います。 例えばスティックの折れだとか、フロッグがガタつくだとか、決定的な、問題はありません。 毛替えとチップ交換（牛骨）を先月実施。 気に入っている弓ですが、必要な出費を賄うため手放すことを決めた経緯あり、素晴らしい弓と絶賛していますので、お気に召さなければ気兼ねなくお返しくだされば幸いです。